ご自分の歯を利用する「歯牙移植・再植」
歯牙移植・再植とは、歯が欠けた、割れたなどで抜歯せざるを得ない場合などに、ご自分の不要な歯や一度抜いた歯を、歯のない部分に植える治療法のことです。別の場所に歯を植える治療を「移植」、元の場所に歯を植える治療を「再植」といいます。ご自分の歯を利用して咬む機能や美しい見た目を取り戻します。
親知らずなどの不要なご自分の歯を抜いて、歯のない部分に植えます。歯の根と歯の骨、その間にあるうすい膜(歯根膜)も移植できるため、自然な見た目、咬み心地を取り戻すことができます。ご自身の歯を移植するので移植による拒絶反応などは起こりません。
歯牙再植は、事故などで歯が脱落してしまった場合や、通常の根管治療では治らない症例に適用されます。
移植・再植ができない場合には、抜歯しなければなりません。その場合、入れ歯、ブリッジまたはインプラントの治療を行います。当院ではお口の状態や予算、ご希望に合わせて最適な治療法をご提案させていただきます。
スポーツや転倒などによって、歯が抜け落ちてしまった場合でも、適切な対処法をとっていただくことで、抜けた歯を元に戻すことが可能です。以下のポイントに注意して、なるべく早めに歯科医院にお越しください。
1.乾燥させない
抜けた歯をティッシュなどにくるんで持参される方がいらっしゃいますが、これでは歯根膜が乾燥してしまい、再植できなくなります。
また、歯をお口の中に入れておくことでも歯のpHを適切に保つことができます。歯のpHを保つことで、再植が成功する確率が高まります。乾燥させないようにご注意し、なるべく早めにご来院ください。
2.水道水で洗い流さない
抜けた歯が汚れたら、汚れを水道水で洗い流す方がいらっしゃいますが、これでは歯が適切なpHを保てず再植できなくなります。水道水で洗い流さず、牛乳や生理食塩水で簡単に汚れを落とす程度にしてご持参ください。
3.牛乳に浸ける
牛乳に浸けてご持参ください。もし牛乳に浸けるのが難しい場合には軽く汚れを落として口の中に入れてください。その際には飲み込まないよう十分にご注意ください。